自然の循環システムを再現。
かつて、日本のどの農家の庭先にも見られた「堆肥場」は、近代的・効率的な農業の進展に伴い、いつの間にか姿を消しました。作物の栽培や生活の中で不要となった有機ごみを堆肥にして、土に還す。こうした自然の循環システムの価値が、農薬による土壌汚染やごみ処理問題が深刻化する昨今、改めて見直されようとしています。富士食品工業では、2005年6月に、日光工場の敷地内に「命を守る土づくりセンター」を建設。農薬に頼らない健全な土づくりのあり方を、全国の生産者に広める活動を開始しました。
工場廃棄物の活用で、エコに貢献。
世界最大級のもやし生産量を誇る日光工場や、カット野菜を生産する本社工場では、毎日膨大な量の「もやしカス」や切り落とした野菜クズが発生します。従来、油燃焼炉による乾燥処理を行っていましたが、土づくりセンターのプラント完成により微生物による発酵処理でミネラル豊富な「土資源」として活用できるようになりました。また、栄養豊富なもやしカスは、近隣の酪農家に提供し、バランスの取れた飼料として活用されています。
子どもたちに食の大切さを伝える。
富士食品工業では、近隣の小学校の児童を工場見学に招待するほか、地域のスーパーなどと連携して自社農場で収穫体験の機会を設けるなど、子どもたちに食の大切さや農業の厳しさと喜びを伝える活動にも積極的に取り組んでいます。