排出物(有機物資源)を宝に変えるプラント。
地球が誕生して以来、有機性物質は土から生まれ、土に還る循環を絶え間なく繰り返してきました。しかし、排出物を「棄てる」という発想がこの循環を遮断し、ゴミ問題や環境問題を生み出しました。日光工場内に設置した「土づくりセンター」は、自然の資源循環システムを効率的に行える処理プラントです。
微生物の発酵熱は約90℃。
土づくりセンターのプラントには、幅3メートル、深さ2メートル、長さ100メートルのレーンが3つ。もやしカスなどの有機性排出物をレーンに投入し、1日4メートルずつ攪拌機が移動しながら排出物をかき混ぜ、微生物の発酵を促します。発酵熱は約90℃以上に達し、プラント内は熱気と湯気に包まれます。
25日で完熟堆肥を生成。
レーンの端から端まで、攪拌機が移動し終わる25日目には、さまざまな排出物は、真っ黒でサラサラした土のような完熟堆肥に姿を変えます。プラントで作られた完熟堆肥は、自社農場や契約農家に運ばれ、ミネラル豊富な野菜を栽培するための、健全な土壌づくりに役立てています。
完熟堆肥の成分を分析。
完熟堆肥には、1グラムあたり50億以上(一般的な堆肥の10倍程度)もの土壌有用微生物が含まれています。堆肥中の成分を細かく分析するのが、本社工場内に設置された研究室。ここでは、土壌や完熟堆肥の分析も行い、微量ミネラルのバランスを最適化する研究を進めています。